HDCPとは?
赤白黄の3色ケーブルのRCA端子の時代は終わり、現在はHDMIやDisplayPort、DVIを使って映像コンテンツを外部デバイスに出力する方法が主流となりました。そんなときに懸念されるのが、出力先のデバイスでのコンテンツの不正コピー。その問題を解決するために開発されたのが、HDCPというわけです。
HDCPとは
HDCPとは、アメリカのインテル社が開発したデジタルコンテンツの保護技術です。著作権で保護されたコンテンツをHDMIやDVIといったデジタルビジュアルインタフェースを使って映像機器やゲーム機で表示させるときの不正コピー防止を目的とし、2000年に開発されました。
端的に言えば、HDCPをオンにした状態でPS5のゲーム画面が映し出されているテレビとPCをHDMIで繋いでも、ゲーム画面をPCに映し出すことはできません。これは、PS5に施されているHDCPが原因です。これができてしまうとブルーレイやゲーム画面の映像をPCでキャプチャし放題になってしまいます。それを防ぐのがHDCPというわけです。
HDCP非対応だとどうなる?
HDCP非対応の場合、ゲーム画面をパソコンに映すことができない、映すことができたとしてもキャプチャや配信ができない…といった状況になります。
HDCPに対応するには、再生機器の製造者がインテルの子会社であるDigital Content Protection LLCからよりライセンスを取得しなければいけません。つまりこのライセンスをメーカーが取得していないと、暗号を復号化できず、HDMIやDVIを使ってもモニターやテレビ、PS3/PS4/PS5などの再生機器の映像をPCに伝送することができません。
HDCPが使われている機器
HDCPはブルーレイレコーダーやDVDレコーダーなどの映像機器やPS3/PS4/PS5などのゲーム機で使用されています。つまり、これらの機器から出力された映像をキャプチャする場合は、HDCPを解除する必要があります。
*PS4/PS5については本体でHDCPのオンとオフを切り替えられます。ただしHDCPをオフにすると一部のアプリケーションが使えなくなる可能性がありますので注意してください。
HDCPの解除は違法?
HDCPの解除は違法ではありません。HDCPはコピーガードの一種ではありますが、アクセスコントロールという暗号化により視聴を制限するタイプのコピーガードだからです。しかし、HDCPを解除してコピーしてしまうと違法になるので注意しましょう。HDCPを解除してコンテンツをキャプチャし、動画共有サイトにアップする行為はアウトですので注意してください。
HDCPを解除する方法 4選
デバイスの操作方法に従いオフにする
パナソニック、ソニー、東芝などのプレーヤーの場合はHDCPの切り替え機能を搭載している場合があります。メーカーの取扱説明書に従い、オンとオフをスイッチしましょう。また、iPhoneやiPadの場合は正規品のLightning - Digital AVアダプタを使うことでHDCPを解除できます。
HDCPを無効化できるキャプチャーボードを使う
キャプチャーボードとはカメラやゲーム機などの映像をパソコンに取り込むための機材です。HDCPを無効化できるキャプチャーボードを使えば、映像をそのまま伝送することができます。一方、
HDCPを無効化できるHDMIスプリッターを使う
HDMIスプリッターとは、1台のパソコンから出力した映像を複数台のモニターに同時出力するための機器のことです。例えばスプリッターを使えばゲーム機の映像をテレビとパソコンに同時に映し出すことができます。ちなみにSwitchやWii U、ミニSFCのようなHDCPが実装されていないゲーム機の場合でもスプリッターを使うことで遅延対策を行うことができます。
ポイントは、すべてのスプリッターがHDCPを解除できるわけではないところ。「HDCP解除機能搭載」と謳いつつ解除ができない製品も存在しますので購入の際は気をつけましょう。
スプリッターはセレクターとも似ていますが、セレクターは1つのモニターに複数の機器を接続し、出力する映像を切り替えるためのデバイスなので、役割が異なります。
PS3の場合はコンポーネント接続するのもアリ
やや時代遅れな方法ではありますが、PS3の場合はRCA端子にキャプチャーボードを使うことでも外部デバイスへの出力が可能です。PS3にはコンポーネント端子が同梱されていますので、これを使うことでHDCPを回避できます。
ブルーレイをキャプチャなしでPCに保存する方法
もしブルーレイの映像をPCに転送したいと考えている方がいるなら、キャプチャーボードやスプリッターを使うよりも簡単な方法があります。それは、DVDFab Blu-ray リッピングを使ってブルーレイをMP4やMKVなどの動画形式にリッピングすることです。
DVDFab Blu-ray リッピングとは
- 最新のブルーレイに掛けられたコピーガードを解除できる
- ブルーレイをMP4やMKVなど1000以上の形式に変換できる
- ブルーレイから音声だけをMP3やWAVなどの音声形式で抽出できる
- パススルー出力にも対応して、ブルーレイを無劣化でリッピングできる
- 多彩な詳細設定と動画編集機能を提供している
コピーガードの解除と言ってもその使い方は簡単。ソフトを起動した状態でブルーレイをドライブに入れて再生するだけで、ソフトが自動的にブルーレイを解析します。あとは変換する形式や品質などを設定して処理を開始するだけ。2時間ほどのブルーレイなら15分ほどでリッピングができますので、処理が終わるまで何時間も待つ必要はありません。
ブルーレイを一般的な形式にリッピングすればHDCPの解除も必要ありませんし、PCだけでなくスマホやタブレットなどさまざまなデバイスでブルーレイが楽しめるようになります。
DVDFab Blu-ray リッピングの使い方
右側の逆の▼をクリックして、「他のプロファイルを選択」をクリックして、出力フォーマットを選択します。
「詳細設定」でコーデック・ビットレートなどを設定できます。
「動画編集」や「トリム」で出力ビデオを調整できます。
HDCPに関するQ&A
アマゾンプライムビデオやNetflixなどの動画ストリーミングサービスのコンテンツにはコピーガードが掛けられているため、iPhoneやPCの画面をテレビにミラーリングすることはできません。動画配信サービスの映像をテレビにミラーリングしたい場合は、Amazon Fire TV StickやApple TVなどのストリーミングデバイスを使用しましょう。
HDCPに対応しているかどうかは、見た目では判断できません。国内製造のHDMIであればほとんどHDCPに対応していますが、個別のスペックについては取扱説明書を確認してください。
まとめ
今回はHDCPの基礎知識や解除方法について解説しました。HDCPはHDMIやDVIに搭載されている映像コンテンツの伝送時における不正コピーを防止するための暗号化技術です。HDCPを施したHDMIやDVIでは、PCなどの映像の送り出しデバイスとモニターやゲーム機などの受け入れデバイスそれぞれが持つ暗号鍵を認証し映像データの復号化を行うことができます。
ブルーレイをPCやスマホなどのデバイスに取り込みたい方は、ぜひ本記事で紹介したDVDFab Blu-ray リッピングをお使いください。コピーガードフリーの汎用的なフォーマットにリッピングできるため、ブルーレイを楽しめる機会が広がります。