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パソコンで記録したDVDを視聴しようとしたら、なぜか再生できない場合があります。再生できないのは様々な要因がありますが、その中で最も多いのがファイナライズをしていないために再生できないのが原因です。そこで手軽にパソコンで記録したDVDを楽しむために、この記事ではファイナライズの概要とパソコンでのやりかたを紹介します。
DVDファイナライズについて
ファイナライズとは?
ファイナライズとは、追記禁止処理、読み取り専用ディスク作成を意味しており、書き込みが可能なDVDディスクにダビングや録画をした後で行う作業です。
パソコンで動画などを編集した際にもファイナライズ処理は必要ですが、オーサリングソフトを使って編集からDVDの書き出しまで行った場合には、自動的にファイナライズされるのであまり意識することはないでしょう。ただし、DVDデッキなどで容量いっぱいになるまで追録している場合には、最終的にファイナライズ処理が必要です。
ファイナライズされていないDVDは、容量があれば追記できる状態になっています。例えば、およそ2時間の録画が可能な4.7GBのディスクの場合、30分ダビングをしたら残り1時間30分程度容量が余ることになります。すぐにダビングしたい動画が用意できない場合、30分のダビングを終えた状態で作業を終了し、動画が用意できたら追加でダビングしていくのが一般的です。このように複数回に分けて追録した結果、これ以上ダビングができないという状態になったらファイナライズ処理を行いましょう。
ファイナライズはどのディスクでも必要なわけではありません。一度しか書き込みができないDVD-RやDVD+Rは必要に応じてファイナライズを行いますが、1000回程度書き込みが可能なDVD-RWやDVD+RWは通常自動的にファイナライズが行われます。ただし、上書きが可能なので追記したい場合にはファイナライズが自動的に解除され、容量がある限りファイナライズしながら追記が可能な状態です。
DVDファイナライズが必要な理由
画像引用元:https://prius.hitachi.co.jp/
ファイナライズが必要になるのは、DVDの書き込みや編集をした機器以外の機器で再生したい時です。
ファイナライズされていない状態のDVDは、編集作業をしている機器での再生や追録が可能ですが、他の機器では読み取れないことがあります。これはファイナライズされていないDVD内で他の機種用にデータを整理していないために起こる現象で、ファイナライズで必要な情報を追加・整理することにより、他の機種でも再生できるようになります。
ファイナライズは、DVDの容量が一杯になったときには必ず行うようにしましょう。他の人に渡す場合はもちろん、自分で保管しておく場合でも、作業を行った機器が故障した時は編集や再生ができなくなるからです。もちろん、他の機器でダビングしているデータの再編集や追録などを行うこともできませんので、DVDそのものが使えなくなるだけでなく、中におさめられているデータも使用できなくなる可能性が高くなります。
このような事情から、人に渡すなど他機種で再生する必要性が生じたとき、空き容量がほとんどなくなったときにはファイナライズが必要です。
ファイナライズ処理は、ダビングや録画を行っているメーカーのレコーダーかパソコンで行います。基本的には、編集や録画などを行った機器でファイナライズまで完了します。
ファイナライズとフォーマットの違い
フォーマットとは、初めて記録するDVDを他社製品でも再生できるように加工する技術です。他社製品で再生可能にするため、空のDVDに専用の溝を掘り、他社の機器でも読み取れる状態にします。
一方、ファイナライズは記録後のDVDを再生可能にする後付け技術です。フォーマットは便利ですが、既にデータが入っているDVDに行うとデータが破損・消失するリスクがあります。そのため、データ確認の手間を省き、安全に再生可能にする方法としてファイナライズが開発されました。
Windows10でDVDをファイナライズする方法
パソコンで編集したDVDの場合、オーサリングソフトや書き込みソフトを使えば自動的にファイナライズされることがほとんどです。一方、ファイナライズされていないディスクをファイナライズ処理のみ行いたい場合には、専用のソフトを使う必要があります。例えば、ReadDVDRというフリーソフトを使えば他機種で編集したDVDのファイナライズ処理も可能です。パソコンで読み込むことができないDVDでもデータを抽出できますので、読み込みを諦めていたディスクを試しても良いでしょう。
このソフトはDVDをドライブに入れてソフトを起動し、「チェックDisc」をクリックすると、抽出可能なIFOとVOBファイルが抽出されます。これを新しいDVDに焼くことでファイナライズ処理された状態になり、他の機器で再生できるようになります。
オーサリングソフトでDVDを自動的にファイナライズする方法
パソコンでファイナライズができる編集ソフトは様々な種類がありますが、今回はサイバーリンクから発売されている「DVDFab DVD 作成」で紹介します。
DVDFab DVD 作成とは?
- 動画からDVDディスク/ ISOファイル /フォルダを作成できる
- AVI、MP4、MKVなどを含む200以上の動画ファイル形式に対応
- 元動画の高画質をキープしたまま、DVDビデオを作成できる
- 多彩なメニューテンプレートを使って、DVDメニューを簡単に作成
- メニューの背景、テキスト、再生などを自由にカスタマイズ
- GPU アクセラレーションで高速な速度を実現できる
DVDFab DVD 作成でDVDを自動的にファイナライズする手順
動画に字幕が付いていない場合は、外部の字幕を追加することもできます。
「詳細設定」でボリュームラベル、ビデオ画質、アスペクト比、再生モードなどを設定できます。
フォルダまたはISOのアイコンをクリックして、保存先を選択すると、出力ファイルは、DVDフォルダ/ISOファイルとしてPCに保存されます。
レコーダーでDVDを自動的にファイナライズする方法
レコーダーによるファイナライズ処理方法はメーカーや機種によって異なりますので、説明書などを確認しましょう。機能やメニューなどの画面でDVD関連の処理の選択肢を探すと、ファイナライズが選べるようになっていることが多いです。機種によってはダビングをするときにファイナライズをするかどうかを聞かれることがありますし、ディスクの全容量を一度に消費する場合には、自動でファイナライズが行われる機種もあります。
ファイナライズ作業は機種によっては数十分単位で時間がかかることがあります。作業中はできるだけ他の操作をしないようにしましょう。
ファイナライズを終えた後のディスクは、見ただけでは違いが分かりません。他の機器で再生できるか確認しておいた方が無難です。
DVDファイナライズ完了確認の手順
1. レコーダーまたはプレイヤーで確認
ファイナライズを実行した機器で、該当するディスクを挿入し、メニュー画面やステータス表示を確認します。多くの場合、ファイナライズが成功すると「ファイナライズ済み」や「完了」といったメッセージが表示されます。
2. 他の機器で再生してみる
ファイナライズされたDVDは、他の再生機器でも再生可能です。別のDVDプレイヤーやパソコンにディスクを挿入し、正しく再生できるか確認してください。再生できない場合、ファイナライズが正常に完了していない可能性があります。
3. ファイル構造を確認する
パソコンを使ってDVDの内容を確認します。ファイナライズされたDVDでは、「VIDEO_TS」フォルダがあり、その中に複数のVOB、IFO、BUPファイルが含まれているのが一般的です。これが存在しない場合、ファイナライズに問題がある可能性があります。
4. ファイナライズ再実行を試す
ファイナライズが正常に完了していないと感じた場合、使用したレコーダーで再度ファイナライズを試みることができます。手順は、レコーダーの取扱説明書を参照してください。
DVDをファイナライズする際の注意点
ファイナライズを行わない場合、他の機器で再生することが難しくなります。ただし、処理を実行する前に、いくつか注意すべきポイントがあります。
読み取り専用ディスクになる
DVD-RWなどの例外を除き、ファイナライズしたDVDは追記不可能な読み取り専用ディスクになります。一度ファイナライズしてしまえば解除できなくなりますので、残容量には注意しましょう。
個人で管理する場合には、容量ギリギリまで録画をしてからファイナライズをした方が効率的です。ただ、第三者に渡す場合には残容量に関係なく、ファイナライズしなければなりません。あまり容量のない動画等をDVDに焼く場合には、2層式などのディスクではなく、4.7gBのDVDを使うと良いでしょう。
ファイナライズ処理中は中断しない
ファイナライズ処理には時間がかかることもありますが、作業を中断してから再開できるとは限りません。特にレコーダーでファイナライズをする場合には、途中で作業がとまらないように他の処理を行わないようにしましょう。中断したいがために電源を抜くなどの行為も厳禁で、ファイナライズ中に強制的に作業を中断した場合、録画したデータそのものが破損して再生も抽出もできなくなる可能性が高いです。
ファイナライズしても再生できないデータもある
特にパソコンで編集したDVDによく見られる現象ですが、ファイナライズをしたにもかかわらずほかのプレイヤーやパソコンで見ることができないというトラブルがあります。これは、ファイナライズ作業が失敗した可能性もありますが、そもそもプレイヤーに対応していないデータ形式になっている可能性もあるため、注意が必要です。
DVDプレイヤーで再生できるファイル形式はDVD-Videoですが、パソコン上では動画ファイルとしてAVIやMP4など様々な形式が扱えるようになっています。これをそのままダビングしてファイナライズしても、対応ソフトを入れていないパソコンや一般のDVDプレイヤーでは再生できませんので、DVD-Video形式に変換してから書き込みができるオーサリングソフトを使用しましょう。
再書き込みをしたいならDVD-RWもしくはDVD-RAMを利用するとよい
DVDに記録する際に、映像作品として配布したい場合など内容を追加する必要性が生まれます。もしファイナライズをした後も内容を追加したい場合には、記録する媒体においてDVD-RWもしくはDVD-RAMを利用することです。このDVD-RWもしくはDVD-RAMは、ビデオカセットのように上書きができるように制作されたDVDになります。このDVD-RWもしくはDVD-RAMを利用することで、ファイナライズをした後も編集ソフトを使って解除すれば再び編集することが可能です。