DVDには、コピーを防止する様々な技術、いわゆるコピーガードが施されています。その中でも最も早期に解除方法が見つかってしまったのが「CSS」です。このCSSとはどのような技術で、解除された経緯はどのようなものだったのでしょうか。

今回は、コピーガードとしてのCSSの概要やその歴史、解除に至った経緯や解除方法について説明します。

CSSとは?解除するなら違法?

CSS (Content Scramble Systemの略称) は、主に商用DVDで使用されるデジタル著作権管理および暗号化方式であり、DVDコンテンツが不正にコピーおよび配布されるのを防ぎます。

CSSの仕組み

40ビットの暗号化キーを使用してDVDのコンテンツを暗号化し、DVDプレイヤーや再生ソフトが解除キーで暗号化を解除することで初めて再生が可能となる仕組みです。

CSSのライセンスを管理するDVD Copy Control Association社に認可されたDVDプレイヤーや再生ソフトのみに暗号化の解除機能が搭載され、復号キーの信号も同様にライセンスを付与された正規のプレス工場で生産されたDVDにのみ記録されます。

言い換えれば、録画のために使用される記録用DVDにダビングした場合、復号キーの信号まではコピーできないため、ダビング先のDVDは正常な再生ができなくなるのです。

CSSを解除するのは、違法ですか?

dvd css 解除 フリーソフト

CSSは、DVDコピーガードの一種ですが、コピーする行為そのものを防ぐコピーコントロールではなく、暗号化を解除しない限り視聴を出来なくさせるアクセスコントロールに分類されます。CSSのかかったDVDのファイルは暗号化を解除しない限り再生ができませんが、コピーする事自体は可能です。

コピーコントロールとアクセスコントロールは、著作権法上の扱いも異なります。コピーコントロールは解除した時点で法律違反ですが、アクセスコントロールは解除しただけでは法律違反に当たりません。

!
解除した上で、コピーを行ってしまうと法律に抵触します。アクセスコントロールを回避、もしくは解除した上でコピーを行うことは、私的複製の対象外となり違法行為となるため注意しましょう。

CSSが突破されてしまった経緯

CSSは、1996年に松下電器(現在のパナソニック)が中心となって開発が行われました。再生ソフトやDVDプレイヤーのメーカーには、搭載した鍵の暗号化を施す必要がありました。再生ソフトを逆行分析することで鍵を解析されてしまうことを防ぐためです。

しかし、あるDVDプレイヤーソフトの開発元がこの暗号化を怠ってしまい、1999年、これに目をつけたノルウェーの当時16歳の少年がCSSの暗号鍵の解析に成功しました。結果として少年の手によってCSSを回避するためのツール「DeCSS」が開発され、Linux環境上でコピーされたDVDの視聴が可能となったのです。

css 解除

現在では、このDeCSSと同様にCSSを回避するためのツールが数多く存在しています。「リッピングツール」と呼ばれるこれらのツールを利用して、CSSを回避して仮想的なDVDディスクを作ったり、ダビングを行ったりすることが可能です。DeCSSの登場からしばらくの間は、私的利用目的でCSSを回避してDVDの複製を行うことは、著作権法上は問題ありませんでした。何故ならば、CSSは先述したように「コピーコントロール」ではなく「アクセスコントロール」だったからです。

1999年に改正された著作権法では、技術的保護手段を回避して複製を行う行為は違法と定められました。しかし、この「技術的保護手段」は複製を抑止する手段、即ち「コピーコントロール」のみが対象となっていたのです。CSSは暗号化することでコピーしたデータを再生できないようにする「アクセスコントロール」のため、著作権法による規制の対象外でした。アクセスコントロールが規制対象に含まれるのは2012年の著作権法改正からで、以降現在に至るまでCSSを解除しての複製は違法行為とされています。

DVDのCSSコピーガードを解除できるフリーソフトおすすめ

CSS DVDコピーガードを無料で解除したいなら、以下のフリーソフトをお試してみましょう。CSSより強いコピーガードを解除するのは、有料なDVDリッピングソフトをお勧めします。

DVD CSS 解除 フリーソフト1:DVDFab HD Decrypter

  • CSS、UOPs、APS、RCなどのコピーガードを解除
  • DVD/Blu-rayをロスレスでコピー・リッピング・変換
  • クロップやトリミングなどの編集機能搭載
  • 動画をカスタマイズできるマルチタスクモード付き

現在も開発が続いているフリーソフトの代表は、「DVDFab HD Decrypter」です。フリー版は機能が制限されたパッケージであり、幅広い形態でのDVDコピーや動画圧縮機能などをフルに使うことが出来る有料の製品版も存在します。機能が制限されているとは言え、フリー版でもCSSの解除機能は備えています。なお、日本国内で販売されているパッケージ版ではCSS解除機能がオミットされています。

DVDFab HD Decrypterは、CSSだけではなく、AACSやRC、UOPs、APSなどのコピーガードも解除できます。また、DVDやBlu-rayをデータ化したり、ISOに変換したり、MP4・MKVにリッピングしたりして、細かい設定や動画編集もできます。

ただし、無料版は1年前まで発売されたDVD・Blu-rayのみに対応しています。最新のディスクを解読するには製品版がおすすめです。最新のDVDのCSSプロテクトを取り除くには、DVDFab DVD コピーを利用してください。

DVDFab DVD コピーは現在限定割引50%OFFの5870円で購入できます。興味がある方はぜひこの機会を見逃さないでくださいね。

メリット
  • CSSを解除できる
  • DVD/BDに対応
  • 操作簡単
  • 他のコピーガードにも多数対応している
デメリット
  • 一年前までのDVD・BDのみに対応
  • 最新DVDに対応するには有料版の購入が必要

DVD CSS 解除 フリーソフト2:DVD Decrypter

dvd css 解除 フリーソフト

CSSの登場以降、CSSの解除機能を搭載したフリーソフトが多数登場しました。ノルウェーで開発された「DVD Decrypter」もその1つです。

このソフトはDVDを読み取り、CSSを解除した状態のディスクイメージファイルを作成します。ディスクイメージファイルは、記録用DVDに書き込むことができるほか、仮想ディスクドライブに読み込ませることで通常のDVD同様にパソコン上で再生することも可能です。アクセスコントロールを回避しての複製が規制されて以降は開発がストップしており、同一作者が開発した後継ソフトのImgBurnにはCSS解除技術は搭載されていません。

ただし、使い方はやや面倒くさく、エラーも多い。最新DVDに対応しないケースが多い。

メリット
  • 無料で利用できる
  • CSSを解除できる
デメリット
  • 最新のDVDに対応しない
  • エラーが多い
  • 操作方法は複雑

DVD CSS 解除 フリーソフト3:DVD Shrink

dvd css 解除 フリーソフト

同様にディスクイメージを作成するツールには、「DVD Shrink」も挙げられます。CSSを回避してのリッピング機能、ディスクイメージの加工や圧縮、オーサリング機能、ライティング機能を備えており、DVDのダビングを行う上で必要な作業をこのソフト一本でこなすことが可能です。こちらも開発は終了しており、違法化後の2015年には日本語版を紹介したWebサイトの管理者やパソコン雑誌の編集者が著作権法違反や著作権法違反幇助の疑いで検挙されています。

DVD Shrink十数年前までは定番のDVDコピーフリーソフトですが、現在更新は停止しており、最新のDVDをコピーする際、エラーでリッピングできないことが多い。

メリット
  • 無料でCSSを解除できる
  • 使いやすい
デメリット
  • ほぼ開発停止となっている
  • 最新DVDに対応しないことが多い
  • CRCエラーなどが多い

DVD CSS 解除 フリーソフト4:HandBrake

HandBrake(ハンドブレイク)は、オープンソースで無料の動画変換ツールです。DVDやブルーレイのビデオをリッピングし、異なるフォーマットや解像度に変換することができます。様々なプラットフォーム(Windows、macOS、Linux)に対応しており、ユーザーフレンドリーなインターフェースと、豊富な設定・カスタマイズのオプションを提供しています。

一般的に、HandBrakeは暗号化されているDVDやブルーレイに対応しないが、CSSによって保護されるディスクならlibdvdcssプラグインをHandBrakeに導入すれば対応できるようになる場合もあります。

メリット
  • 無料でCSSを解除できる
  • DVD/BD両方対応
  • windows/mac対応
デメリット
  • CSS以外のコピーガードを解除できない
  • 動画の設定は複雑
  • 日本語化する必要がある

DVD CSS 解除 フリーソフト5:DVD43

css 解除

ここまで紹介したソフトは、DVDを読み込み、コピーやイメージ作成機能を備えたソフトです。一方で、常駐型のDVD リッピングソフトも存在します。その中でも一時期かなりのユーザー数を誇ったのがDVD43です。このソフトを起動した状態でDVDを読み込むと、その段階でCSSを始めとするコピーガードを突破してしまいます。後は通常のリッピング機能を持ったライティングソフトを使えば、CSSの無いDVDと同じようにコピーが出来てしまいます。DVD43は2009年を最後に開発が終了しており、より多機能かつ多くのコピーガードに対応したシェアウェアのAnyDVDに取って代わられています。

メリット
  • CSSを解除できる
  • windows対応
デメリット
  • 開発終了
  • 最新DVDに対応しない
  • windows8・10・11との交換性がよくない

CSS解除機能を持つフリーソフトを取り扱う際の注意点

css 解除

CSS解除機能を持つフリーソフトは、市販の再生専用のDVDのコピーに使用した場合は例えそれが個人で楽しむ目的であったとしても違法です。再生専用のDVDソフトをコピーする目的での使用は避けましょう。もちろん、これらのツールを利用して、ホームビデオを記録したDVDを親戚や知人に配る目的でダビングを行う分には問題ありません。

また、CSS解除機能を持つフリーソフトをダウンロードできるサイトへのリンクを貼ったり、自分のサイトで配布したりした場合は著作権法違反や違反の幇助として検挙されてしまいます。少なくとも日本の法律においては違法行為であるため、配布やリンクの添付などは絶対にしてはいけません。

そして、CSS解除機能を持つフリーソフトの大半は開発が終了しているため、現行バージョンにバグがあった場合でもアップデートでの対応は行われません。これらのソフトの利用者を狙ったコンピュータウィルスが発生したとしても開発者による対応は行われないため、使い続けることにはセキュリティ上のリスクがあることを常に注意しましょう。

まとめ

CSSが突破されてしまったこと自体は、DVDで映像ソフトを提供している映画会社やビデオ会社等にとって手痛いダメージを被ったと言えます。しかし、このことがきっかけとなって、著作権法でアクセスコントロールも「技術的保護手段」に含まれるようになり、地デジやブルーレイのコピーガードはより強固なものが開発されました。CSSの突破は後の著作権の歴史において、まさにターニングポイントになったのです。

この記事では、CSSを解除できるフリーソフトを5選紹介しました。使いやすさや解除能力などから見れば、一番オススメなのはやはり「DVDFab HD Decrypter」です。ぜひ試してみてください。